今さらながら17モアザン3012hのインプレ

 

モアザンと言えば、ダイワのシーバス専用フラッグシップリールです。基本コンセプトはとにかく「タフ」。剛性を高くしてギアの強度も上げて耐久性を上げているのが売り文句となっているものになります。発売されて4年経とうとしていますが、今さらながらインプレしていきます。

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基本スペック

重量は285gと重ためです。LT前の3000番なので当然と言えば当然ですが、重さに反して巻きが軽いのは感じます。それはZAIONローターによるものが大きく、ギアが大きいことも理由の一つだと思われます。17モアザン3012hの適しているフィールドは主にナイトゲームの大型河川、また磯場などでのヒラスズキでしょう。理由はやはりそのリール重量。合わせるロッドは9ft後半からの方が先おもりは感じないでしょうが、8ft台でガンガンロッドを動かす釣りには少し不向きな気がします。

搭載されているものは?

メーカーHPに記載されている機能は以下の通りです。

  • マグシールドル
  • エアローター
  • ATD
  • ZAIONローター
  • スーパーメタルボディ
  • カーボンハイブリッドスプール
  • アルミマシンカットハンドル
  • ハイパーデジギヤ
  • ABS II
  • クロスラップ
  • エアベール
  • ラインローラーBB(2BB)
  • ローターブレーキ
  • ツイストバスターII
  • リアルインフィニットストッパー

色々搭載されていてよく感じますが、実際に良いものは、「ハイパーデジギヤ」と「ラインローラー2BB」くらいでしょうか。その他はそこまで特筆すべきものではありません。

 

ハイパーデジギア

ドライブギア素材にC6191(アルミニウム青銅)が使用されて言います。C6191は、リブレでおなじみのジュラルミンの1.6倍の強度を持つ材質で、物性を見ればステンレス並みです。ギアの強度が強い=力がダイレクトに伝わるため、力強い巻きになることも納得です。本来であればギアの強度が増せば、巻き心地も良くなるものですが、17モアザンの巻き心地はそんなに良くありません。同価格帯のステラやイグジストを想像していると驚きます。おそらくですが、コストの関係上寸法公差をそこまで追い込んでおらず(当然高精度ですが)、強度に重きをいているのかもしれません。C6169は切削性に優れているため、制作方法はおそらく切削もしくは鍛造。何よりも材料費が高いため、相対的に部品単価も上がります。モアザンの本体価格が高いのは、案外このギアが原因なのかもしれませんね。

19セルテートでよくないだろうか?

フルモデルチェンジにより、LT化の恩恵をあずかることになった19セルテート。実際に巻き比べてみると、巻き心地では17モアザンより全然上です。またモノコックボディにより、強度も申し分なし。ちなみに最大ドラグ力の違いは以下の通りです。

17モアザン    7kg
19セルテート 10kg

19セルテートの方が上なのです。しかも軽い。ハンドル長さを60cmにそろえたとすると、最も小さいもので「LT3000-XH(225g)」、最も大きいもので「LT5000D-CXH(250g)」となりますが、最も重たくても19セルテートと17モアザンの間には25gもの差があります。ギアは確かにモアザンの方が高級かもしれませんし、ベアリングの数も違う。しかし値段は19セルテートは17モアザンの約半額。コスパを考えると19セルテート一択になるでしょう。ベアリングは後から自分で追加しても1,000円もかかりませんので。

 

ではなぜ17モアザンを買うのか?

カッコいいからです。
というよりも17モアザンを持っている人は九分九厘ロッドもモアザンでしょう。デザインの統一、これが17モアザンを選択する人が求めていることなのです。実際Youtubeでシーバス関連のプロが使っているタックルを見てみるとわかります。大野さんも、村岡さんも、濱本さんもほぼイグジストを使用しています。先ほどはコスパ重視で19セルテを引き合いに出しましたが、本気で軽量化を考え、モアザンと同金額を出せるのであればイグジストになるのでしょう。ただ、見た目にこだわるならばモアザンですね。

使用感は?

前述した通り、案外巻きはじめが軽い。これに驚きます。巻き感に関しては村内期待してはいけません。これはこれで慣れればなんとも思わないので。正直特筆すべきものがないので書くことがないのですが、一つ言いたいことはドラグノブが小さすぎるということ。正直すごく使いにくいです。今の大型化されたドラグノブがそれを物語っているのでしょう。小さくてかわいらしいですが、実用的ではありません。おそらく他の番手の流用なのでしょう。言えます。

総括

色々とダメ出ししている感じになってしまいましたが、いいリールであることは間違いありません。しかし、現在進化してきているリールが増えてる中で、藻座残だからと言って手放しでほめるようなものでもないのかなというのが印象です。特に金額が高いためそう思うのかもしれません。セルテと同じくらいの価格であればそこまで感じないのでしょう。そしてもう1~2年以内にはモデルチェンジがあると思われます。その際にはLT化されることは間違いないでしょうから、そこに期待です。ぜんざいダイワさんはリールの外観よりも内部の機能にこだわっているらしいです。外観がシンプルになっているのはこのためだとか。次のモアザンがどうなるかはわかりませんが、ロッドのモアザンシリーズもシンプルになってしまったので、次は黒ベースのシンプルデザインになるかもしれません。現在のような黒金ギラギラの高級感を求める方にはぜひおすすめです。