2022.11.11に公開された「すずめの戸締り」。
「君の名は」や「天気の子」で一躍大ヒットを連発した新海誠監督の最新作です。
すでに大ヒット作になっており、そして内容もかなり高評価ようです。
前回は初見の感想を特に良いところに絞ってレビューしていきました。
今回は、観ていて気になった点を中心に感想と考察をしていきたいと思います。
ネタバレを含みますので、映画未試聴の方はご注意ください。
草太役の声優、松村北斗さんの演技がノイズでしかない
私は常々、アニメ作品にプロの声優以外を起用するべきではないと思っていました。
それが例えば、ドラえもんやクレヨンしんちゃんなどでゲスト声優としてチョイ役出演ならば別に良いのですが、このような全年齢をターゲットにした作品で、主要キャストに起用するというのはいかがなものでしょうか?
もちろん俳優さんや女優さんの中でも声優として上手な方もおられます。
しかし、今回の松村北斗さんはどうでしょうか?明らかに浮いた存在になってしまっていると感じました。正直草太が要石になった時には、声が出てこないからよかったと思ってしまうくらいでした。
しかし、Teitterなどを見るとかなり高評価だったので、自分がおかしいのかとも思いましたが、自分にとってノイズはノイズ。単純に気になって、話が入ってこないのです。
なんでこういうことをするのでしょうか?素晴らしい映像、音楽、ストーリーを揃えておきながらなぜ?しっかりとしたプロの声優さんを起用しておけば、もっと素晴らしくなっていたのではないでしょうか?
人の感じ方はそれぞれかもしれませんが、間違いなく断言できるのは、素人がプロ以上の演技をすることは決してない。ということです。
ダイジンは本当にかわいいのか?かわいそうなのか?
このキャラクターは好きになれません。
まず初めに思ったことは、きゅうべえみたいなやつだなということです。
喋ること一つ一つが結構怖く、序盤は物語の黒幕すら感じるほどでした。
終盤になると、明確な描写はありませんでしたが、ダイジンも人柱なのではなかったのか?と思わせるような展開、そしてすずめと草太のために再び要石に戻るという自己犠牲を出していましたね。
しかし好きになれません笑。自分の中のきゅうべえが強すぎるのかもしれませんが、東京の扉の前ですずめがダイジンをつかまえた時には、そのままやってしまえと思ったほどでした。
こうなってほしかったです笑
しかしながら、少し真面目な話に戻ると、最後までよくわからなかったキャラクターであるとも思います。すずめを好きになる理由、自己犠牲する理由、不器用な道しるべ。すべてがあいまいに表現されていると感じるので、序盤の嫌な奴イメージが消えません。
あとなんで名前がダイジンなのか、いまだに全く理解できません。
閉じ師は一人しかいないの?
東京に大型のみみずが現れるとき、草太の部屋にてかつては複数の閉じ師で封印したと書物に書いてありました。
私が見逃していただけかもしれませんが、今は一人だけという説明ありましたっけ?他の奴らは何をしているんだろうと疑問しかありませんでした。
サダイジンとは何だったのか?
意味が分かりませんでした。サービスエリアで環さんに心の奥底になる思いをはき出させるためだけに出てきたような気がしています。
2時間アニメであの終盤の新キャラはきついのではないでしょうか?
しかも要石?という設定ですか。そもそも要石は東と西に1個ずつではなかったのでしょうか?西はダイジン、東は草太。ではサダイジンとはなに?
しかも黒猫なのに、大きくなったら白色って。。。
リアルに描きすぎて、違和感が強調される
これは前回の感想記事でも記載しましたが、物語の中の描写、特に生活感を現実世界に近づければ近づけるほど、わずかな矛盾や、事象に対する説明のなさが大きなノイズにつながってしまうと考えています。
前述した閉じ師の設定や、スマホの充電など、あったりなかったりする描写は逆にない方が好みです。それを忘れさせるほどファンタジー方面に振り切るか、音や匂わせだけも十分なのです。
すずめが挫折から這い上がる展開が欲しかった
本作は観る人によって、視点が大きく変わる物語だと思います。一般的なボーイズミーツガール(逆展開ですが)の域は出ていないと感じる人もいるでしょうし、すずめが過去の出来事に再び向き合い克服していく物語だと感じる人もいるでしょう。また、単純にみみずを封印していくファンタジー映画と捉える人もいるでしょう。
しかし、この映画は3.11を主たる題材にしたことで、逆に難しくなっていると感じました。そもそも震災という大きな経験があるにも関わらず、死ぬのは怖くないというすずめにかなり違和感を感じていましたし、話がトントン拍子にうまく進みすぎているとも見ながら感じました。
大抵みみず封印の最中に1度くらい失敗して挫折を味わい、そこから立ち直るというのが王道ストーリーの感じがします。それが神戸で起きるのでは?と見ていて思いましたが特になく、東京でも犠牲はあっても一応解決。草太が要石なったことを挫折に見ることもできなくもないですが、出会って数分の人の存在が大きすぎるという違和感もあります。
終わり方についても、結構ご都合主義で終わらせるんだなという感想です。大衆受けといえばそうですが、死というものは理想的なものなのでしょうか?もう少し救いのない理不尽さというものを表現しても良かったのではと感じました。
長い
こういうアニメ作品で2時間というのも珍しい。MCU作品は平気で2.5時間を超えるので、慣れているといえば慣れていますが、正直1.5時間くらいに収められなかったのか?と思うのも事実。
いろいろと詰め込んだなという印象です。車のシーンは少し長いし、最後のアズカバン展開は必要だったのでしょうか?
色々書きましたが、結局言いたいのは、プロの声優を使ってくれということです。