【ネタバレ注意】ドラマ 「オビ=ワン・ケノービ」解説・考察~なぜこのドラマは評判が悪いのか?~

2022年5月27日からディズニープラスで配信されたドラマ「オビ=ワン・ケノービ」。

EP3とEP4の間の期間を描き、オビワンが何をしていたのかが明かされました。

俳優もユアン・マクレガーヘイデン・クリステンセン等、EP1~3当時の俳優が演じており、話題でしたが、肝心の作品に対する評価はあまり良いものではありません。

この記事では、なぜこのドラマの評判が良くないのか、私自身の感想も兼ねて語っていきたいと思います。

自分の感想

まずは私の感想からまとめましょう。

「おもしろくはない」です。

では救いようのないクソドラマなのか?と言われれば、そこまで言うつもりはありません。5話はまだ良かったし、懐かしの俳優がかつてのキャラクターを演じていた。特にプリクエル世代の自分にとっては胸にくるものもありました。

しかし、1~3話までは本当に苦痛でした。ダラダラした演出、意味不明な脚本、かつてないほど退屈な戦闘シーン。ツッコミ所満載な展開には辟易します。終盤少し盛り返しはしたものの、現時点で評価が覆ることはないでしょう。

 

なぜ面白く感じないのか?

前述した通り、私はプリクエル世代。カノンも好きですが、世代直撃のEP1~3に関しては、また違った思いがあります。

また、最近では神ドラマである「マンダロリアン」を見て、これぞスターウォーズという気持ちが高まっていました。

そんな中で放送開始された「オビワン」。EP1~3の様なキレキレのライトセイバー戦や、マンダロリアンのようなダーティかつスターウォーズ感満載のスペースオペラを見られると、期待値を高めすぎていたのかもしれません。

おそらく、オビワンを見た多くの方は、ディズニープラスにも加入しており、マンダロリアンを見て、シークウェルで傷ついた心を癒しつつ、私のように期待値MAXで視聴したことでしょう。

ディズニーもやればできるじゃないか。さあ、新たなオビワンを見せてくれ!と。

それこそが一番の間違いだったのです。

悪かった点

特に「ここがダメだ」と思うポイントを3つ、解説します。

  • BGMがゴミ
  • エイリアンが出てこない
  • ツッコミ所が多すぎる

全話通して常に感じていたのはこの3つです。1つすつ行きましょう。

「BGMがゴミ」

映画やドラマを盛り上げる重要な要素とは何でしょうか?

人によって考えはそれぞれあるとは思いますが、BGMは関係ないと言う人はいないのではないでしょうか?

SWは、特にBGMが重要な要素をはらんでいる作品であると私は思っています。メインテーマやダースベイダーのテーマ(帝国のマーチ)は、聞いたことがない人がいないくらい有名な曲です。

他にも、ダースモール戦での「運命の戦い」。EP3でのオビワンvsアナキンの曲、EP4のEDである「玉座の間」、レジスタンスのレーマ、NGシーン集でよく流れる酒場の曲、EP6のED。上げていけばキリがない、まさに名曲によって物語の壮大さと奥深さが高められているのです。

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これも偉大な作曲家である、ジョン・ウィリアムズのなせる業であることは間違いありませんが、彼はマンダロリアンには参加していません。ではマンダロリアンではBGMが良くなかったのかというとそんなことはありません。

特にマンダロリアンのメインテーマ。これは神曲と言ってよいでしょう。一度聞くと忘れられない、ずっと頭の中でループするような曲です。このほかにも戦闘時の曲やダークトルーパーのテーマなどとても良い曲ばかりで、演出をさらに際立たせていました。

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しかしながらオビワンではどうだったでしょうか?

何か耳に残っている曲はありますか?

最後の最後で出た、帝国のマーチは無しですよ。

ある人はあるのかもしれませんが、私にはありません。全編通して同じような曲がずっと流れていたような気がします。戦闘シーンですら特に何も変わらなかった印象しかありません。

例えばベイダー初登場時にテーマを流してみるとか、プリクエルの曲をアレンジしたものを流してみるとか、過去のセリフは山ほど出てくるのに、肝心のBGMは全く出てこない。

ダースベイダー登場時にテーマ曲が流れるなんてベタすぎると感じるかもしれませんが、ファンとしては、ここぞという場面で、相応の曲を聴くことができればそれだけでうれしいものです。例えばアントニオ猪木が入場するときに、「猪木ボンバイエ」ではなく、別の変な入場曲が流れたら、なんかノリ切れませんよね?

とにかく今作は特にBGMの不況具合が物語全般を盛り上げることができなかった大きな要因だと思っています。

 

「エイリアンが出てこない」

SWというのは、はるか遠い銀河の話。そこには数多くの惑星があり、生態系があり、文化があり、多くの種族が存在しています。私が初めて見たのはEP4でしたが、自分が思いつきもしなかった星やエイリアンが出てきて驚いたことを覚えています。そしてその感覚はEP5,6,1,2,3と続いていったのです。

チューバッカはもちろん、ジャワ、タスケン、アクバー提督、ジャバザハット、ジャージャー、ジェダイ評議会もほぼエイリアン。ジオノーシスに至っては、人間御邦画少ない。

ジョージ・ルーカスは、惑星を描くときに、そこにはどんな種族がいて、どんな生活をしているかまでしっかりと設定を作りこんだうえで話を作るそうです。結果映像化された場面がごく一部であったとしても、見ている側の想像を駆り立ててくれるような、そんなワクワクをくれるのです。

残念ながらEP7~9ではその感覚を全く味わうことはできませんでしたが、今作も似たようなものではないでしょうか?

ついオビワンやレイアにばかり目が行きがちですが、背景にいるモブキャラを見てみてください。人間ばっかりです。

たまーに思い出したようにエイリアンが出てきますが、印象に残っているものは特になし。基本ヒューマンドラマを見ていた印象しかありません。

途中立ち寄る惑星も同じ、記憶に残らないのです。当然惑星の名前も覚えられない。

ドラマなので、映画と違い、そこまで予算が掛けられないのはわかります。しかし、こっちはマンダロリアンで見てしまっているのです。

あれこそがスターウォーズ。主人公は仮面被りっぱなし、そこまでしゃべらず、出てくるキャラもほぼエイリアン。しかし素晴らしい。ドロイドも魅力的でしたね。惑星の描き方も丁寧。これが見たかったんですよ。オビワンで良かったところは、EP4で吹き飛ばされることが確定しているオルデランの描写が描かれたことだけです。

 

「ツッコミ所が多すぎる」

SWという作品は、わりかしツッコミ所が多いものであると理解はしています。しかし、たいていの場合は、設定や行動の理由付けがある程度なされており、見ていてそこまで違和感を感じること自体は少ないのではないかと思います。

しかし、特にEP7から始まったことだとは思いますが、いわゆる「ご都合主義」というものが多くなったのではないかと思います。

今作オビワンでも例にもれず、そのような場面が多かったことから、集中して内容が入ってこないというシーンが多々ありました。

一番初めに感じた嫌な場面はレイアと誘拐犯の追いかけっこですね。

このシーンに疑問を感じた人も多いのではないでしょうか?

明らかな大人と子供の追いかけっこ。いくら足場の悪い森の中とはいえ、さすがに3人掛かりでレイアに追いつけないのは無理がある。また、無駄に長いシーンに冷めてしまうのです。

また、ブラスターに撃たれたり、ライトセイバーで貫かれても生きている人も続出です。セイバーで貫かれてやられていった人たちは何だったのでしょうか?ちょっと切られただけでもやられたジェダイも多くいましたし、ジオノーシスではバンバンやられていました。暗黒面に堕ちれば耐久性も上がるのでしょうか?

また、これも昨今設定崩壊が著しい「フォース強すぎ問題」も深刻です。

EP8では宇宙空間に放り出されていても無事に帰還、EP9では治癒能力、フォースライトニングはちょっとしびれる技から、大艦隊を壊滅させかねない破壊力を持ちました。

個人的には、フォースというものが何でもできるような設定が嫌いです。一番の理由は「今までそんなことしてなかった」ということもありますが、「それができるなら何であの時やらなかった?」という疑問につながると作品全体が崩壊しかねないからです。

船をフォースで止められるなら、EP1のダースモールや、EP2のオビワンは突っ立ってみていただけのマヌケになりますし、傷を治せるならもっと助かった命もありました。

「いや、このフォースは特別だから」という設定も聞こえてきそうですが、無理な後付けほど鬱陶しいものはありません。

フォースで岩をぶつけ続けるなら、ずっとあれやれば勝てるでしょ?

フォースはちょっと便利な魔法みたいなもの位にとどめておく方が良いと思うのです。

あとは戦闘シーンもよろしくない。一番いやなのは、カメラがぐらぐらしている点です。特に6話では、ついにオビワンとベイダーが戦うのに、カメラが上から目線でグラグラしているので、何をやっているのかわからない。

ユアンが演じるオビワンが好きな人は、どうしてもプリクエルのライトセイバー戦が好きなものです。ベイダーにしても、カノンとはまた違う、怖いベイダーを見たいのです。

こっちはすでに、「ローグワン」や「反逆者たち」で動きまくるベイダーを見ています。EP3のオビワンVSアナキンも脳裏に焼き付いています。もう少し俊敏な動きを見せてくれても良いのにという感じはぬぐえません。

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これでよかったのに。。。

 

まとめ

色々と自分の思う悪いところを書きましたが、それほどこの作品に期待していたということでもあります。

自分の見たかった内容ではないけれど、これはこれでと言える日が九rことを願います。