東京オリンピックでは、男子バスケ日本代表が1976年のモントリオール五輪から実に45年ぶりに出場します。
八村塁選手、渡邊雄太選手、馬場雄大選手らを擁し、過去最強と言える日本代表は予選グループでスペイン、アルゼンチン、スロベニアという強豪ばかりの組に入っており、その戦いぶりが期待されます。
今回は、日本代表の対戦国である「スロベニア」について、どれほどの強さなのか、注目選手を紹介します。
スロベニアとは?
スロベニアとは、1991年にユーゴスラビア社会主義連邦から独立した比較的新しい国です。北はオーストリア、西はイタリア、東はハンガリー、南はクロアチアに面しており、国土面積は約2万k㎡で四国と約同じくらいの面積で、人口は約200万人です。自然が本当に美しい国で、ヨーロッパの中でも人口が少ない国ですが、中央ヨーロッパに位置する国で、主要なヨーロッパの文化や交易の交差路です。一度は観光に行ってみたい国ですね。
スロベニア代表の基本情報は?
スロベニアという国自体が日本にいるとなじみが薄いですが、代表は世界ランキング16位に位置する強豪国です。バスケットボール欧州選手権にも毎年出場しており、2017年には優勝しています。オリンピックには、今回の東京オリンピックが初出場です。
オリンピックは初出場ですが、NBAのスーパースターである、ルカ・ドンチッチを擁します。ユーロリーグで活躍している選手もおり、オリンピック最終予選では、ドマンタス・サボニス、ヨナス・バランチュナスというNBAでも強力なビッグマン2人を擁する強豪リトアニアを破ってオリンピック出場を決めました。そして予選では日本代表と同じ組なので、対戦が見られます。
スロベニア代表の注目選手は?
ルカ・ドンチッチ
ルカ・ドンチッチは、現在22歳のNBA選手で、現在はダラス・マーベリックスに所属しています。身長201cm、体重104kgのポイントガードで、リーグを代表するスーパースターです。
ドンチッチは近代バスケでも希少な大型ポイントガードでポイントガードのみならず、シューティングガード、スモールフォワードでもプレイすることのできるポジションレスな選手です。ガードとしては201cm、104kgと大柄な選手となり、スモールボールが全盛の現在のNBAではパワーフォワードまで入ることが可能と言われています。
プレースタイルは、3ポイントシュート、ミドルシュートや、ポスト付近でのフローターシュートなど、様々なシュートを決められる多彩なスキルを持っており、バスケットボールIQも非常に高く、味方とのピック&ロールからも様々なオフェンスのバリエーションがあります。国際大会でも活躍しており、オリンピック出場が掛かる最終予選では、競合リトアニア相手に、31得点11リバウンド13アシストのトリプル・ダブルの大活躍で見事祖国をオリンピック初優勝に導いています。愛国心が強く、スロベニアに金メダルをもたらすために全力でプレーしてくることでしょう。
ルカ・ドンチッチの功績は?
ドンチッチの成し遂げたことを上げるとキリがありません。2018年にNBAドラフトで全体3位で指名されると、フランチャイズ最年少で20得点をあげ、史上2番目の若さでトリプル・ダブルを達成、2000年以降6人目となる10代で通算1000得点に到達するなど次々と記録を打ち立てており、次世代NBAの顔になる選手と言えます。
主な功績は以下のとおりです。
- NBAオールスターゲーム出場(2回) : 2020, 2021
- オールNBAチーム1stチーム(2回) : 2020, 2021
- 新人王 : 2019
- NBAオールルーキーチーム1stチーム : 2019
- ユーロリーグチャンピオン : 2018
- ユーロリーグMVP : 2018
- ユーロリーグファイナルフォーMVP : 2018
- オールユーロリーグファーストチーム : 2018
日本は勝てるのか?
スペイン同様、こちらも勝つ確つことは非常に難しいと思われます。世界ランクも17位と高く、個人の能力も非常に高いです。
一見スーパースターのドンチッチが率いるワンマンチームと思われがちですが、オリンピックを掛けた最終予選では、ドンチッチが休憩している時間でも強豪リトアニア相手に14-0のランを掛けるなどチームとしての完成度も非常に高いでしょう。
しかし、日本が戦う上では、いかにドンチッチに仕事をさせないかが重要になると思われます。ディフェンスが上手な渡邊選手がボックスワンでマークすることも考えられますが、インサイドの高さが下がるため、ここは馬場雄大選手に任せるのも面白いと思われます。馬場選手は、NBL(オーストラリアリーグ)でも相手チームのエースストッパーを任されることが多く、チームの最優秀守備選手賞も獲得しているので、ドンチッチを抑えることを期待します。
ドンチッチをうまく封じ込めることができれば、強豪スロベニアとはいえ苦戦させることができると思います。
また、ドンチッチはスーパースターであることに加えてイケメン。とにかく華がある選手なので、日本でドンチッチフィーバーが起こることを期待しています。