本記事は十二国記新刊「白銀の墟 玄の月 」考察です。
ネタバレを多々含みますので、まだお読みでない方はお引き返しください。
11/9の3、4巻発売まで残すところ1週間。
考察できる期間が少なくなってきました。
皆さん大好きな鳩について、別の可能性を考えます。
愚考ですが、お付き合いください。
鳩ってホントは・・・?
何度か鳩についての考察をしてきました。
突然ですが、、本当に鳩は実在するのでしょうか?
3巻のあらすじで傀儡化の原因は妖魔であることが示唆されています。実際に王宮内では鳩の鳴き声がしており、その近くには傀儡のような人々、体の不調を訴える人が続出しています。
初めてその描写が出てきたのは、1巻P.297 耶利の初登場時でしたね。
"露台に面して一文字に細長く切り取られた穴から覗き込むと、虚ろな顔をした官吏が一人ぽつんと佇んでいた。--この傀儡は職務には忠実だ"
なんと禁門を守る兵士たちも傀儡になっています。
そして、2巻P.208
「・・・どこかに鳩がいるんだよ」(平仲)
平仲曰く、頭の芯が重く、鈍い頭痛のような不快感が取れない、とのことです。そして地の文では
姿は見えないが声がするので確かだろう
とあります。
そして怪しい描写の続き、P.291です。
”最近、徳裕の様子がおかしい。常に心ここにあらずーーという感じがする”
”平仲の様子もここのところおかしかった。徳裕と同じく、どこか茫然としている”
”黄袍館には陰鬱な倦怠が漂っていた。打ち捨てられた不遇を嗤うように鳩の声がする。どこかに鳩が居着いてしまったようだ。夜中、唐突に一声降ってくる鳩の声は、妙に不安を掻き立てる”
”項梁は夜半、酷い脱力感に襲われることがあった”
”以前は外部の風を運んできてくれていた文遠も、このところ姿をみせない”
そしてついに平仲も突然の部署異動となります。そして最後には
”女が門を閉めるとき、建物のどこかで鳩が鳴くのが聞こえた”
鳩の鳴き声がトリガーとなって、人々に何かしらの影響を与えていることがわかります。しかしここで気になる点としては、鳩の鳴き声や巣を作っているであろうとの描写があるが、実際に鳩が見られたとの描写はない、ということです。
鳩という、宮中にはそぐわない単語の登場により、かなりそちらに意識が向いていましたので、「鳩」が宮中にいると思い込んでいました。
実際にいるかどうかはわかりません。
あらすじで「妖魔」と言われている何かが鳩の鳴き声を出しているだけなのかもしれません。それが鳩の姿をしていないという可能性もあり得るのです。
傀儡化
今この幻術のターゲットとなる人物の共通点は、「現状を変えようとする、もしくはその流れの中に入っている」、ということではないでしょうか。
それに対してオートに作動していると考えられます。
その人の抱えているストレスを増長させ、脱力感、倦怠感から最終的に傀儡のようになり、与えられた仕事をこなすだけの人になってしまう。
鳩は今作を大いに盛り上げてくれた功労者です(笑)
少しは考えた考察が当たることがあるのでしょうか。
それとも小野主上は、はるか上を越えてくるのか?